キャロット89R調整備忘録

〜より一層の集弾性向上を目指して〜

 

2003年9月下旬、私は待ちに待ったキャロット89R BUDDYキットを受け取った。自分でチューニングしたメカボックスを組み込んで4ヶ月間、ゲームで89Rを使用してきたが、私が用意していた組み込みユニットがXM177用のものであったため、一部、本来の設計では想定していない部品を使うことになってしまい、多少、モヤモヤとしたものを感じつつの使用であった。しかし、それでも十分な性能を感じていたので、ホップや照準眼鏡の調整後は、なかなか「再度分解して…」という気が起きずにいた。想定していない部品が組み込まれていても、本当に十分な性能であった…ただ、どうしても「想定している部品で組みなおしたらどうなるのだろう、特に集弾性」ということが気になり(キャロットの神崎社長からのそれとないお導き!?もあり)、2004年の正月休みに、思い切って分解することを決意した(…大袈裟)。

「分解するならついでに…」最初は純正の設計で想定されていた部品を組み込むだけのつもりであったが、折角なのでもうちょっといじってみることにした。
結果的に別の純正外パーツにチャレンジしてしまうのだが…(汗)。

これは、その内容について纏め、組み込み調整前後の初速・集弾性能を比較した記録である。いわゆる1.4Jの仕様ではあるが、キャロット89Rユーザーのカスタムアップ等に役立てていただければ幸いである。

また、メンテナンスなどで気がついた点やアドバイスについても、記しておく。

※記述してある内容は、あくまで私個人所有の銃についてのものであり、全てのキャロット89Rにそのまま当てはまるとは言えないことを前提に参考資料としてご覧いただきたい。

※2006.8.20追記
この銃は現在、2006.8.21施行の改正銃刀法に定められた基準に適合するよう、威力は0.85Jに調整されている。
2006年8月21日以降、このページの以下に記載されている威力を持つ銃は、改正銃刀法の「準空気銃」として、一般の所持が禁止されるので注意されたい。
以下の内容は、あくまでも法改正前に行われたものであり、参考資料として活用いただきたい。

2004.1.4UP
2005.10.10加筆

 

<仕様比較>

■当初セッティング(A)

このセッティングは私が購入時、翌日のゲームに間に合わせるため、突貫工事で組み上げたために生まれた仕様であると言っても過言ではない。この「突貫工事」ゆえに、本来考えていたとおりの内容で組み上げられなかったのが、前述のモヤモヤの最大原因。そのモヤモヤとは、チャンバーを純正指定のシステマ製メタルチャンバーではなく、ホップアップ機構パーツの互換性問題からXM177用のチャンバーを組み込まざるを得なかったこと。本来は指定のメタルチャンバーを組み込むべく、M4(M16A2)用マルイ純正タペットプレートとノズルを手配し、準備していたのであるが、前述の原因で、その組み込みを断念せざるを得なかった。
チャンバー周りのセッティングは発射性能、こと集弾性に大きな影響を与えかねない要素であるので、非常に慎重に行った。

メカボックスについては、XM177用のものにシステマ製パーツでチューニングし、M120スプリングを駆動。ピストンは、無理な加速を抑え、弾速・弾道安定を狙うため、重量の重いアルミピストン(ピストンヘッドとの合計重量:35g …マルイ純正は24g)を採用した。

メカボックス仕様

XM177用Ver.U

M120Feスプリング、アルミピストン、サイレントピストンヘッド・シリンダヘッド、NBシリンダー(M16用)、ベアリング付きスプリングガイド、トルクアップ平歯ギアセット、オイルレスメタル (いずれもシステマ製)

EG1000モーター

その他は全てノーマルパーツ

チャンバー仕様

XM177用ノーマル(チャンバーパッキン含め)

インナーバレル仕様

キャロット純正指定 Φ6.04mm 銃身長445mm

組み付け時の留意点

基本的に取り扱い説明書の指示どおりに組み付け。チャンバー組み付け以外、特段の留意はしなかった。

XM177用ノーマルチャンバー組み付けにあたっては、

  1. 干渉部分(チャンバー下部突起、ホップ調整ダイヤルのハネ、引金室部の一部)を加工(切削等)。
  2. チャンバーとアウターバレルのクリアランスがゼロであるので、挿入時に破損しないように注意。
  3. チャンバーの前進防止(気密保持)と左右の回転防止のため引金室部とチャンバーの間にスペーサーを挿入。

以上の対策を実施した。

チャンバーの組み付け以外は、いわゆる製品本来のデフォルトコンディションの組み付けである。

 

■交換調整後(B)

チャンバーを純正指定のM4用メタルチャンバー(システマ製)に換装することで、製品本来の状態にしようとした。しかし「折角分解するのだから…」と、思い切ってインナーバレルを定評あるAK用TNバレル(KM企画製)にしてみた。銃身長が455mmと純正より10mmほど長く、消炎制退器のスリットからインナーバレルが見えてしまうが、気にしないことにした…(汗)。
組み込みにあたっては、最高の状態を実現すべく、組み付け状態を念入りに確認し、特にセンター出しに留意した。

メカボックス仕様

XM177用Ver.U

当初セッティング(A)と同じ。ただし、チャンバー交換に対応させるため、タペットプレートとノズルについてM4用ノーマル(マルイ純正)に換装。

チャンバー仕様

M4用メタルチャンバー(キャロット純正指定・システマ製) チャンバーパッキンはノーマル(マルイ純正)

インナーバレル仕様

TNバレル(KM企画製)AK47用純正サイズ Φ6.04mm 銃身長455mm

組み付け時の留意点

メタルチャンバー組み付けにおいて、アウターバレルを固定したときに若干の傾きが出ることを確認したので、アウターバレルと引金室部の間にスペーサーを挿入して調整。また引金室部とチャンバーの間にスペーサーを挿入し、チャンバーを事実上固定。それらの過程でメカボックス、チャンバー、アウターバレルのセンター出しを行った。

また、インナーバレルとアウターバレルのガタつきを最小化するため、バレル先端近くにメンディングテープを巻き、クリアランスの調整をした。

 

〜両仕様の比較表〜

  メカボックス スプリング チャンバー チャンバー
パッキン
インナーバレル 備考
当初セッティング(A) XM177用Ver.U システマM120Fe XM177用
ノーマル
マルイ
ノーマル
純正Φ6.04mm 445mm ・チャンバー固定
交換調整後(B) XM177用Ver.U システマM120Fe M4用メタル マルイ
ノーマル
TN Φ6.04mm 455mm ・チャンバー固定
・センター出し調整
・バレルクリアランス調整

 

 

<初速比較>

10発計測。全弾の平均値。

当初セッティング(A) 104.1m/s
交換調整後(B) 107.4m/s
完成品1.4J仕様 ?(今後実施予定)

※気温14℃
※適正ホップ状態。使用弾:マルイスーパーグレード0.25g カーボンパウダー添加。

交換調整後(B)の初速向上(3.17%向上)は、TNバレルを使用したことによる影響が大きいと思われる。
初速値のバラつきは、チャンバーを換えたこともありその差に注目したが、いずれも±0.5m/s程度で(A)(B)の大差はなかった。当初セッティング(A)で使用したXM177用のノーマルチャンバーは、M4用メタルチャンバーに比べアウターバレルへかなりタイトな状態で組み付けられるため、メタルチャンバーに近い比較的安定した組み付け精度が維持されていたものと思われる。ただ、性能的にメタルチャンバーを超えるものではない(ノーマルは破損しやすいデメリットもある)ので、敢えて苦労してXM177用ユニット+ノーマルチャンバーにする必要はないであろう。

 

 

<有効被弾域(集弾性能)比較>

有効被弾域とは、平均弾着点を中心に全射弾の82%の弾着域をさす。下表は各射距離におけるその直径の実測値。全射弾を計測対象とするグルーピング測定法とは異なるので注意。
各距離とも20発射撃。風の影響として平均弾着点から水平方向に最も遠い2発を無効とし、18発中、平均弾着点に近い15発を計測対象とした。
各距離4回実施した中の最小値。

  20m 30m 40m 50m
当初セッティング(A) 7.9cm 17.3cm 31.2cm 62.7cm
交換調整後(B) 6.4cm 13.2cm 22.5cm 41.9cm
完成品1.4J仕様 ?(今後実施予定) ?(今後実施予定) ?(今後実施予定) ?(今後実施予定)

※屋外にて実施。いずれも9時方向の微風が時折あり。射界全域でほぼ無風時に射撃。
※2脚使用による単発(セミオート)射撃。照準眼鏡(マルイ ショートタイプ 3×20)使用。使用弾:マルイスーパーグレード0.25g カーボンパウダー添加。

マルイのスーパーグレード0.25g弾を使用していることもあり、当初セッティング(A)の状態でも十分な集弾といえ、30mでヘッドショット、40mでバストショットが狙える。キャロット純正バレルはΦ6.04mmとタイトな内径で、外径の大きなマルイSG弾を使用しているが、柔らかいノーマルパッキンと重たいピストンのお陰で、かなりソフトな加速で弾を撃ち出しているものと思われ、それがタイトバレルの性能を引き出し、良好な結果に繋がっているのではないかと考える。
交換調整後(B)においては20〜30%の集弾性能向上が見られるが、バレル単体の性能差だけではなく、センター調整、アウターとのクリアランス調整などの影響も大きいと思われる。ある雑誌の比較実験では、マルイノーマルバレルとTNバレルで50%近くの改善が見られるというデータがあるが、それに比べるとキャロット純正バレルの性能の高さ、バランスの良さがうかがえる。また純正バレルでも、センター調整、アウターとのクリアランス調整をすれば、TNバレルとの差は、かなり縮小されるであろう。純正バレル外径とアウターバレル内径のクリアランスは0.2mmあり、計算上、射距離20mでは約1cmのブレになる為である。ただし、40〜50mでの性能差の拡大は、初速に所以するエネルギーの格差によるところであるとみられるので(エネルギーの絶対値が足りないため、より極々わずかな風などの状態変化に影響されやすくなる)、高初速・高エネルギーで発射できるTNバレルの優位性は変わらないと思われる。

交換調整後(B)においては、40mでヘッドショット、50mでバストショットが狙えなくもない。ただ(A)(B)とも、さすがに40m以上では風の影響を非常に受けやすく、無風状態以外では当てるのにそれなりの苦労を要する。

なお、連発(フルオート)時の集弾については正確な計測を実施しなかったが、2脚使用においては概ね単発射撃と同程度(場合によってはそれ以上)の集弾性能を体感した(発射速度:950発/分にて…オリジナル12V 500mAh Ni-Cdバッテリー使用)。射手の練度や射撃方法、発射速度にもよるが、(A)(B)とも連発によるスナイピングを十分に楽しめる。

 

 

<完成品1.4J仕様との比較>

今回は残念ながら、いわゆる完全にキャロット純正状態の完成品1.4J仕様との比較は行えなかった。ただ、当チームメンバーに完成品1.4Jを所有している者がいるので、近日中に比較を実施し、結果を加筆したい。

なお、これまで度々完成品1J仕様を試射する機会があり、その時の印象として「非常に素直で安定した弾筋」というものを感じた。1.4Jについても結果を期待している。

 

 

<総評>

当初セッティングの状態においても、正直満足していたが、交換調整後の結果には大変満足している。今回の集弾性計測はやや微風が吹く環境であったが、実際の集弾を見るに、完全無風であれば20mで4〜5cmのグルーピングを叩き出す実力を持ち合わすまでになった。その性能を引き出す最大の要素は、何と言ってもキャロット89Rがそもそも備えている、その高いボディー剛性。非常に高い剛性により、当初より安定した集弾特性を89Rは見せてくれていたが、調整により、その能力が最大限に引き出されたものと言える。

ただ、組み付けの際、わずかな本体の歪み・製造(加工)誤差と見られる部分が発見されたので、今回の調整では、敢えてスペーサー等でそれを矯正する試みを行った。樹脂成形・加工品である以上、ある程度のもの、個癖は避けられないと思われるので、もし歪みや製造(加工)誤差が発見された場合は、スペーサー挿入や切削等で慎重に調整すると良いだろう。とは言え、実際の射撃において問題が発生していなければ、その必要は少ないと判断してよかろう。

とにかく、本格的なスナイピングライフルとしても十二分に通用するポテンシャルを、キャロット89Rは持ち合わせていることを実感した今回の調整であった。

 


 ●調整を終えた89R。特に外観をいじったわけではないが…。

●よく見ると、消炎制退器内にインナーバレルが見える。 

 

 

おまけ その1 

簡単な「負い紐」サイズ調整>

キャロット純正の89R用負い紐は、官給品とほぼ同じ構造をしていて、サイズ調整は官給品と同様の操作で行える。
非常に簡単にサイズ調整が出来るものの、操作方法が意外と知られていないようなので、ここに紹介する。

●負い紐を伸ばす操作

赤丸の部分を左手で保持し、右手でバックルを写真のように持って矢印の方向にスライドさせる。
赤丸部分を保持する代わりに、前部負い紐環を始点に負い紐を張れば、右手だけで操作できる。

 

●負い紐を短くする操作

赤丸の部分を右手で保持し、左手でバックルを写真のように持って矢印の方向にスライドさせる。

 

 

おまけ その2 

弾倉の塗装>

自衛隊で使用している弾倉は、鉄の黒染め(非常に濃いブルー)色調である。
マルイ製のものは、パーカー調に仕上げられていて、そのままではやや雰囲気にかける(と思う)。

そう思われた方は、以下の塗装をすると非常に良い雰囲気になるので、是非試してみていただきたい。

 

〜用意するもの〜

スプレー塗料(1): インディ「ブラックパーカー」

スプレー塗料(2): キャロム「メタルブルーコート」

いらなくなったタオル(ポリッシュ用)

両方で6,000〜7,000円してしまう塗料であるが、トイガン用塗料としては幅広く使えるものなので、持っていて損はないと思う。

 

〜塗装方法〜

  1. まずは塗装する弾倉を分解し、塗装する面の汚れ、油分をよく落とす。
  2. 弾倉に、「ブラックパーカー」を、表面が黒くなる程度で、なるべく薄く塗装する。
  3. 「ブラックパーカー」が乾燥するまで待ち、乾燥したら塗装面をタオル等でポリッシュ(やや艶を出す)。
  4. 次いで「メタルブルーコート」を、非常に薄く(1往復程度)塗装する。
  5. 「メタルブルーコート」が乾燥したら、塗装面をタオル等でポリッシュ。弾倉を組み立てて完成。

塗装は、塗装面からスプレーを40cm程度離し、1往復2秒程度で腕を動かして行うと良い。
特に「メタルブルーコート」は、塗りすぎると「真っ青」になってしまうので、1往復程度にとどめておくことを勧める。
万一、「真っ青」になってしまった場合は、上記“2.”に戻って再度作業をすれば良い。

 


●塗装した弾倉。黒を基調に、角度によって青い金属光沢をみせる。

 

 

おまけ その3

<各種注意事項など>

キャロット89Rの分解・組み立て、メカボックスの組み込み、手入れ、取り扱い等に関する注意事項について、私が把握する限りを以下にまとめた。基本的な注意事項はサービスマニュアルどおりであるが、より一歩踏み込んだ付加的・補助的な内容として、分解・組み立て、カスタムアップ等の際の参考にしていただければと思う。

 

●分解・組み立てにあたっての全般的な注意

あくまでも、樹脂を中心としたパーツで構成される「模型」であるので(高強度とは言え)、分解・組み立てにあたってはマルイ製などのトイガン全般に当てはまる注意事項を踏まえておいたほうが良い。サービスマニュアルに分解・組み立てにあたっての注意点や要領について、かなり詳細に記載されているが、まずはそれらを遵守したうえで、あらためて以下のことに気をつけていただきたい。

→ 一度アタリを出したら、故障等の事態やオーバーホール時、新たなカスタムアップを施す時を除き、分解・組み立てはなるべく控える。高強度樹脂であっても、分解・組み立ての回数が増えれば増えるほど、各部にガタが生じやすくなり、将来的にキシミや歪み発生の原因となる。

→ 各部品は多くのネジ・ナットで組み付けられているので、分解・組み立てにあたっては、それらを適宜整理しなから行う。また、ネジなどの締め付けは、高強度樹脂とは言え座掘防止のため、必要以上にトルクをかけないように気をつける(銃床取り付けのネジを除く)。特に六角ネジは、締め付け過ぎに注意。

→ 銃床は引金室部のブロックに大きく噛み合ったうえでネジ止めされるが、ネジが緩むとガタが生じ、テコの原理により最悪、引金室部後端を破損する恐れがある。取り付けのネジは、十分なトルクをかけ、要すれば模型用のネジ止め材を使用する。また、銃床のガタを感じることがあれば、直ちに増し締めをする。もし、増し締めでガタが取れない場合は、銃床の引金室部との勘合部突起に薄いテープを貼り、勘合部の隙間を少なくする。

→(初期のもの) 取り付け物がゴムであるため、ネジが完全に止まることはない。後部負い紐環がガタつかず床尾板が変形しない程度で止める。
→(それ以外)  ねじ込みすぎを防止する金属スリーブが床尾板に挿入されているので、「軽く」ネジが止まる程度に締める。

→ (初期のもの)消炎制退器は、逆ネジで銃身にネジ込まれているので、取り付け・取り外しにおいては回転方向に十分注意すること。誤って高いトルクをかけて締め付けると「回りすぎ」てしまうことがある。もし「回りすぎ」てしまった場合は、水道やガス工事などで使用する「シールテープ」(ホームセンター等で購入可能)を銃身のネジ部に巻くと、リカバー出来る。
→(それ以外)  途中から、消炎制退器は真鍮製(黒染め)から鉄製(メッキ後黒染め)に変更されている。またこれにあわせ、取り付け方は実銃同様にダブルナットの共締めに変更され、初期のものに見られた問題は解消している。

→ 2脚の動作が渋い場合は、WD-40やCRC556などのスプレー式金属用防錆潤滑材をローラー・プランジャー部に吹き付ける。それでも解決しない場合は、2脚を分解し、脚頭部の形状をヤスリで削り、調整する。

 

●メカボックス組み込みにあたっての全般的な注意

キットで購入したり、内部をカスタムした89Rにおけるメカボックス組み込みにあたっては、メカボックスのバージョンや各銃の個癖に応じて以下の点に注意が必要である。
ノーマル(純正指定どおり)の状態であれば、マニュアルどおりに作業すれば、大概は何も問題なく組み込むことが出来るが、もし何か不具合が発生した場合などは、下記を参照いただきたい。

なお、切削などの調整を行う際はくれぐれも慎重に作業していただきたい。

→ XM177用のセレクタープレートでは、セレクターの切換えがうまくいかない場合がある。

→ 対策:

  1. 89Rのスイッチプレートに、薄くシリコンオイルを塗布する。
  2. 尾筒部(アッパー)が引金室部を勘合部で左右から締め付けている場合、尾筒部の引金室部との勘合部内側を薄く削る。
  3. メカボックスのギア軸受けが切換えレバーのカムやスイッチプレートに干渉していないか確認。場合によって干渉部分を削る。
    ※一部の純正外軸受けに交換した場合、要注意。
  4. 逆に動きがゆるい場合は、レバーのカムに、0.5〜1mm厚のプラ板をカムと同じ形状にカットして貼り付ける。
           

→ 交換しないと、給弾不良を起こす。

→ スペーサーを挿入しないと、チャンバーの気密保持が極端に悪くなる可能性がある。回転防止。

→ 対策:

  1. シリコンオイルを薄く塗布するか、それでも解決しない場合は、槓桿(スライド)上部の摩擦部分を、わずかに削る。

→ 対策:

  1. 槓桿(スライド)上部の摩擦部分に薄いプラ板等を貼り、必要に応じてプラ板の厚さをヤスリで削り調整する。

 

●マルイ製メカボックスの分解・組み立て時の注意

マルイ製メカボックスであるので詳細は割愛するが、メカボックスを分解して組み立てる場合、ネジ止めの際に模型用ネジ止め材を忘れず使用し、固化するまでメカボックスを絶対に駆動させないこと。ネジが緩むと、メカボックスフレームのシリンダー先端付近が必ず破損するので注意。ただし、ネジは必要以上のトルクをかけて締め付けると簡単にネジ山がなめてしまうので、締め付けすぎにも注意。

 

●日常の手入れについて

メカボックス等の内部機構に関しては、マルイ製電動ガンそのものであり、日常の手入れは電動ガン付属の洗い矢による銃身清掃程度で十分である。

外観に関しては、鉄製部品(初期の消炎制退器以外、金属パーツの全て)は使用後に必ず防錆潤滑材を表面に塗布すること。鉄製部品は黒染めによる防錆処理をしてあるものの、防錆潤滑材を塗布しないと錆が発生しやすい(特にロストワックスで作られた部品)。
なお、89Rの樹脂部には鉱物油に対する耐油性があるが、防錆潤滑材の塗布にあたっては、樹脂部になるべく付着しないように注意し、付着した場合は拭き取る。

2脚は、1次ロット中盤以降、2次ロットまでは、メッキ加工後黒染め処理がされているので極めて錆びにくいが、1次ロット初期や3次ロットについてはメッキ加工されていないので、錆の発生に注意が必要である。

 

●弾倉止め(マガジンキャッチ)の加工

1次ロット初期のものは、樹脂で出来ていて変形しやすく、弾倉をしっかりと保持できずに使用中、弾倉が脱落するトラブルが散見された。1次ロット中盤以降は、マルイM4などの金属製弾倉止めを加工したものが取り付けられ、弾倉が脱落するトラブルは完全に解消されている。1次ロット初期の樹脂製弾倉止めを使用されている場合は、M4用の弾倉止めを入手・加工して換装されることを強くすすめる。

M4用弾倉止めに換装した場合、本来の89式用弾倉止めが持つ独特の「段差形状」がなくなってしまう(1次ロット中盤以降は全てその状態)。気になる方は、エポキシパテ等で盛り、ヤスリで整形、ブラックシール等で塗装されることをお勧めする。比較的簡単に再現可能。


●加工後、「段差」を再現し取り付けられたM4用弾倉止め。弾倉上で負い紐に立てかけられているのが、取り外した初期樹脂製のもの。

 

 

おまけ その4

<我が89R近影>


●眼鏡を2-6倍のショートスコープに換装。低倍率に加え照準高が低くなり、より素早い照準動作が可能となった。

 

 

以上。その他、気が付いた事項などがあれば、逐次追加していく。

 

 

 

特報第13弾【勝手にインプレッション】(2003.10.19up)へ戻る

 

 

 

トップへ戻る